三連休の最終日,こころの涼を求めて閑静な高台にある楽器店に赴きました。40平米ほど(目視)の店舗スペースに展示されていたのは,チェコの名器ペトロフ。その名前だけは聞き知っていましたが,実際にその音色やタッチを味わうのは初めてでした。
今回,ペトロフのアップライトピアノ二台を使い,サロンコンサートが催されました[詳細はこちら]。並べられた二台のペトロフはいずれも個性があり,向かって左は明晰な,向かって右は拡がりのある音をもっています。どの器種にも温もりがあるのは変わらず,弾き手にも振動(共鳴)を感じることができます。チェコ産のモミの木はウッドベースや弦楽器など様々な楽器にも使われる名素材だとか。
演奏者は筒井一貴さん。スメタナのポルカ,ドヴォルザークのユモレスク,ヤナーチェクの「草陰の小径」など。アンコールに「チェコ音楽三傑」の一人であるフィビヒの小品を数曲。
筒井さんはフォルテピアノ・クラヴィコード等を中心に活動するピアニストで、筆者はつい先月ひらかれた某所の座談会で知り合い,その博識に圧倒されたばかり。バロック以前の演奏経験に根差しつつ,それをいわゆる研究にとどめずどう現代のピアノ演奏に活かすかという実践的視点に共感しました。
関西でも,京都の植村照さんという方の活動が知られています。たしか戦災を免れた稀少なペトロフを使って演奏を続けているというお話しでした。
ところで海外産ピアノは値段が…とよく言われますが,このペトロフは130₋140万円程,保有スペースを考えればむしろ高コスパと言えるかもしれません。
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