練馬区にある光が丘美術館でピアノ演奏と絵画鑑賞を同時に展開する、斬新な試みが催されました。「音楽を聴きながら絵画を鑑賞する」ことで、それぞれを一層深く味わおうという狙い。動員40名程度。
渡邊祐子さん(東北大・院・美術館教育論)と安保美希さん(ピアノ)は、ともに留学先のノルウェーで知り合ったのがきっかけだとか。数年越しで自主企画を開催の運びとなったことに、人のつながりの不思議さと暖かみを感じます。
解説された作品は8点ほどでロマン主義から写実主義(農民主義リアリズム)・表現主義に及ぶ幅広さ。渡邊祐子さんの詳細な解説をノート形式の小冊子に記録を取りながら聞き入りました。
またビックリなことに、ここには世界12台限定生産という銘器ベーゼンドルファー(オーストリア千年祭モデル)が納めてあります。それを使って奏でられた曲目が
グリーグ:ノルウェーの農民舞曲(スロッテル)作品72から
ブラームス:ピアノ曲集作品118から 第二曲
フォーレ:ノクターン
ドビュッシー:雨の庭(ピアノ曲集「版画」から)
スクリャービン:ソナタ第2番 嬰ト短調「幻想」作品19
アンコール(委嘱新作)Namida
120分休憩なしで続き、お二人の若い熱意がひしひしと伝わる充実ぶり。個人的には実演の珍しいスロッテルが印象に残りました。隣にある風流な日本蕎麦屋も乙。
若い女性アーティスト二人、将来の活躍が楽しみです。
◎安保美希さんウェブサイト http://www.mikiambo.com/
◎光が丘美術館ウェブサイト http://www.hikari-m-art.org/
新興住宅地にある日本庭園付きの蔵造り風の館。日本画を中心としたコレクションが充実しています。