英語力の維持と称して,学生時代は読めもしないのに片っ端から英字紙を読んでいました。ヘラルド朝日から始まって The Japan Times Weekly, Newsweek, Scientific American(日本語版は日経サイエンス), The Economistと来て,最近はGlobe Asahiとこの日経に落ち着いています。さんざん背伸びを続けた結果,歳を取って身の丈にあったものが分かってきた感じ(笑)。何しろ外国語なので、一度日本語で概要を掴んでおいて英語での表現を吸収する。そのペースに合うのは日刊よりも週刊であるようです。
タブロイド判であったThe Nikkei Weekly を休刊し,タブレットやスマートフォンでも読める複合型のメディアとして2013年秋からスタート(プレスリリース)。力のこもったPVも意欲を感じさせます。
しかし実際に購読してみると,既存の英字週刊誌からすると便利でない面もあります。
◎ 良い面
- 読み物風の記事が充実。日本語版からの訳だけでなく書下ろし。例:アジアの若者と消費動向調査。
- 従来のタブロイドに比べアジアの産業動向・社会情勢に目を配った記事が多い。Le Capitalを著したフランスの経済学者トマ・ピケティが1月に日本を講演で回り話題になりましたが,それ以前の11月訪台など日本のメディアは拾わないでしょう。
◎ 改善を期待したい面
- 記事のリードまとめ(今週の出来事一週間,的な)がない。時間がないけど興味の濃淡にかかわらず一通りザッピングしたいという場合は不便です。
- 2頁超の長めな記事が多い。長いぶん充実した内容ですが,都心通勤者としては,大混雑の通勤電車でも丸めて1頁読めるのがメリットと思っているので,冊子版の読みやすさを改善してほしいです。
なお本誌では,The Nikkei Weekly 時代にはあった脚注形式の日本語抄訳と単語帳が省かれています。これは一層アジア向けに普及するという方針への転換なのでしょうか。冊子版に対訳を載せるのは難しいとしても,例えば電子版の読者には日本語にカスタマイズされたサービスを提供する等,独自のフォローアップがあると助かるかもしれません。特に英語学習を兼ねて購読する日本の読者は少なくないはずですので…。
◎Nikkei Asian Review ホームページ