2005年にスタートした民間交流の一つである「東アジア出版人会議」。筆者もしばしば聴講したその会議がこの春に本の街・神保町で開かれました。記録を兼ねて簡単にご紹介します。
2015年4月2日(木曜)・3日(金曜)於・一橋大学一橋講堂(学術総合センター内)
主催: 東アジア出版人会議[http://eapc.tokyo/] 協賛: 国立情報学研究所[http://www.nii.go.jp/]
第1日 公開シンポジウム「電子読書の可能性――東アジア読書共同体を創出できるか」
高野明彦先生(NII):連想情報学[リンク]の第一人者。連想検索の原理と機能を紹介。言葉同士の距離と方向を(ベクトルで)数値化し,検索語と繋がりの強いコンテンツに紐付けする。
田中政司先生(ジャパンナレッジ):インターネット辞書・事典検索サイトJapan Knowledge [リンク] の導入から今日までの利用状況の変化を分析。利用者の職業や属性によって使われるデバイス・媒体が異なることの指摘。
続いて,世代も出自も異なる参加者三名が,電子書籍リーダー「無為(Wu Wei)」を使って,藤田省三『精神史的考察』を読む試み。 午後は中国諸国(大陸中国・香港・台湾)の図書館・学術機関による書籍電子化の事例報告(※このとき退出)。
◎東アジア出版人会議の活動を知るための本
『東アジア人文書100』(みすず書房,2011年)四六判並製,304頁,本体2,400円+税