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学術出版:デジタル・アーカイブの動向いくつか

ここ数ヶ月で断続的に出席した勉強会のダイジェスト。出版そのものよりは「ポスト出版」に属するその保存と利活用を巡る話題。目に触れない→利用されない(→買い控え or 売れない)という悪循環の可能性。目を逸らさず拾っておくことは中期的に重要。

 

■図書館総合展2015
大学図書館の現実的な未来像
日時:2015年11月11日 (水)15:30~17:00
会場:パシフィコ横浜 展示会場内
http://www.libraryfair.jp/forum/2015/1855

【コメント】「現実的な」未来像,とのテーマ設定は,しばしば理想が先走って語られるから?図書館行政のレビュー。変わりつつある利用者の立場に立った報告が聞かれなかったことに少し不満足感が残った。

■一般社団法人 学術資源リポジトリ協議会
第15回勉強会・研究成果報告会「学術資料情報の集積と活用に関する研究報告」
日時:2016年1月21日(木)14:00~
会場:国立情報学研究所 20階2004講義室2 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2)
http://www.repon.org/index.php?key=jodusxp3e-21#_21

【コメント】地域に点在する非文字史資料(中近世の古文書・近代の科学実験機器)をインターネット上にアーカイブ化し利活用を進める取り組み。石川県発の人文系ベンチャーから全国ネットワークへ。現地へ赴かずしてアクセシビリティを高めるにはどうするか?一般市民へのアウトリーチと,学術的研究との間で求められるデータの質的差異は。メタデータの粒度(granuality)。など多様な論点が提起されました。

■東京大学・次世代人文学開発センター
第1回人文情報学拠点シンポジウム/日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画共催事業/東大新図書館トークイベント16/科研費基盤研究(S)「仏教学新知識基盤の構築」シンポジウム
「HathiTrustとデジタルアーカイブの未来」 †
日時:平成28年1月25日(月)13:30~17:50 (受付開始時間: 13:00)
会場:伊藤国際学術研究センター(東京大学本郷キャンパス)
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/DHI/index.php?sympo2015_1

【コメント】2000年代にGoogle Book Searchから派生して,今や北米の図書館が連合して取り組むアーカイブ事業となったハティトラスト。日本の事業,特に東大新図書館計画への示唆。官民からの財政的支援に差。

おわりに耳にした箴言,対にして並べると印象的。
「人間が全てを忘れ得なくなったとき,知とは何か?」(ホルヘ・ルイス・ボルヘス)
「象は忘れない」(アガサ・クリスティ)

2年前に「日本版Europeana」を目した図書館関係者のフォーラムを思い出す。

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