人と情報のエコシステムを問うJSTのプロジェクト《hite》の研究成果が、書籍『RE-END 死から問うテクノロジーと社会』(BNN)に結実しました。本を編集した気鋭のキュレーター 塚田有那 さんは、刊行に合わせて展覧会「END展」のディレクションも務めるとのこと。週末に六本木まで観に行って参りました。

テクノロジーの進歩は、これまで当たり前と思われていた慣習に変化を可能にしています。あるいは、変化が好ましくないものをも含む場合は「迫って」います。未来にお墓や葬式は必要なのか、はたまた「死後の再会」はあり得るのか?突き詰めれば「死」は「END」と同義ではなくなりつつある——その難しい界面が露見する昨今を切り取った好企画と感じました。
特に関心を引いたのは、サイバー空間に消せない痕跡が残る「デジタルタトゥー」あるいは、本人の死後も意に反して、個人データとAIなどを利用して後世に「復活させられる」問題ーー「デジタル死後労働(D.E.A.D.)」をどう扱うか、という点でした。これは法的な「権利」あるいは「(死の)ルール」をめぐる問題であり、土日の連続セッション《END BAR》でも掘り下げられました(アーカイブ視聴が可能です)。
東京・六本木での展示は2021年11月14日(日)まで。巡回は未定です。