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Noism《さすらい人》を観る――「集団の美」から「個々の美」への新境地

過日、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)劇場専属舞踊団 Noism Company Niigata の新作《Der Wanderer――さすらい人》を観てきました。*ハイパーリンク先は音が出ます

東京公演の会場・世田谷パブリックシアター
会場掲示はシンプル

「近年、歌曲に惹かれる」と語る金森穣さんが、シューベルト歌曲700曲を聴き通し厳選した70分の舞台は、ギュッと詰まって編み直された小宇宙。鞄を携えた男性(さすらい人)を下手に座らせ、薔薇を取り入れた振付は、能のワキ方や目付柱にも通じる演出でしょうか。

新潟公演の開始(1月下旬~)にあわせて出版された著書『闘う舞踊団』も、舞踊の枠を超えて日本の舞台芸術、文化全般を問い直す強烈なメッセージ。

『闘う舞踊団』(2023年1月刊、夕書房)

Noismは、《劇的舞踊 ホフマン物語》《鳩の反動》などで実演に触れ、昨夏も埼玉での《春の祭典》など、群舞の迫力に圧倒されて来ましたが、今回は「集団の美」よりも「個人(個対個)の美」が際立つ、新たな一歩を感じました。

◎『春の祭典 / 残影の庭』日本の舞台芸術を世界へ(国際交流基金ウェブサイト)https://stagebb.jpf.go.jp/stage/the-rite-of-spring-traces-garden/ [配信終了日:2023年10月19日]

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